トローリングセット(ヒコーキ・潜水板)
の用途(対象魚)及び使用法

魚の釣り方

@海上で鳥群を発見したり、潮目、河口付近、潮境、海底の瀬のある周辺など
を曳いてください。
A太陽が輝いている方向に、船を向けて走ってはいけません。
魚の目は目の光量を加減する器官が開けっ放しですから、
眩しくてギジエサが見えないのです。ですから必ず太陽光線の方向をよけて
ジグザグに航行するか、船の後部に太陽がくるように航行することが、最も良い方法です。
B潮境や潮目ではそれらを中心にジグザグに走ってください。この場合、ゴミや海藻類が
ギジエサについたら、手まめに取り除いてください。ゴミがついては、魚は喰いません。
C船の舵を必要以上に曲げて蛇行して走ったり、急カーブを切ってはいけません。
魚も喰いませんし、道具をもつらせる原因になります。

船の速力をどうするか

@ハマチ、シイラ、カツオなどは3〜4ノットで航行してください。
Aタイ、ヒラメ、イサギ、サケ、マスのような泳ぎの遅い魚は1〜3ノットで航行します。
Bマグロ、メジなどのような速い魚は4〜6ノット位で航行します。
C魚の喰いの良い時はBのような速い魚でも速力は適当に落としてください。
D魚がいても喰わない時は速力を上げてください。
E潮が透明でよく澄んでいる時や太陽が燦燦と輝いている快晴の時は、速力を前記よりやや速くしたほうが良く釣れます。速く走ることでギジエサは、よく動き魚をだますからです。
F道具を手繰りだす時と、魚の掛かった時は、スローにしてください。スローにして100mくらい走ってから、道具を取り込むと、ほかのギジエサにも沢山の魚が掛かってきます。あわてて1匹の魚を取り込まないように心掛けてください。
Gゴムヨリトリは、魚の口を切らず、釣糸の切断も防止します。従って、釣糸も細いものが使える特長があります。魚が掛かってもスローで走っていれば釣り落しがありませんし、5倍も伸縮するので、人間の手よりも上手に取り扱います。

潜水板セットについて

@魚が潜水板の後方に掛かると、潜水板は反転して浮上してきます。A魚が潜水板の前部のギジエサに掛かると、ゴムヨリトリが伸びたり、道糸の角度が変化したり、曳縄竿の竿先の動きが変化しますから、すぐに判ります。この場合潜水板は、浮上しません。B魚が掛かったら、船をスローにしてください。舵を曲げずに、直進して魚を取り入れます。C魚が掛からないのに潜水板が浮上した時は、魚がはずれたか、ゴミが掛かったか、潜水板が調整されていないかのいずれかですから、潜水板の板尻に、ナイロンテグスか、糸などで水の抵抗をうけさせて、潜水板の振りが、おとなしくなるような方法をとって調整してください。D潜水板が正常に調整されている時に、何かの調子で、水面で潜水板が反転して沈下しない時は、道糸を2〜3m素早く手繰って、急に放せば潜水していきます。潜水板は表面が上になっていれば、必ず潜水します。E4〜5ノットで曳いていて、それ以上速力を上げると潜水板が浮上したり、潮流に向かって航行すると、浮上してくる潜水板は、最もはげしくギジエサを動かしているのですから、よく調整された潜水板というわけですが、反対にいくら速力を上げても浮上してこないものは、調整の悪い潜水板です。

ヒコーキセットについて

追われた小魚が逃げまどい、それを狙った海鳥が水面上を滑走してあげる水しぶきを作り出したり、また小魚の群れが水面上を暴れまわる状態を、人工的に作り出すのがヒコーキです。これは魚が水の音や、水面上のざわめきに敏感な習性を利用したもので、見事にこの人工の小魚群にひっかるわけです。ですから、ヒコーキは沢山引っぱるほど効果があります。

魚が掛かった時のヒコーキの変化

魚がギジエサに喰いつくと、いままで水しぶきをあげて水面を滑走していたヒコーキは、次のような変化をおこします。@ヒコーキ全体が水中にもぐってしまう。Aヒコーキが水面上に見えていても、水しぶきをあげなくなる。Bヒコーキの動きが、正常に水しぶきをあげて滑走している状態と違ってくる。この時、ヒコーキの後方に注意すると、魚がキラキラと輝いて見えます。Cリール竿を手で持っている場合はすぐわかりますが、以上のような変化を確かめながら釣れば、面白さも倍加するでしょう。

以上がトローリングにヒコーキを活用する時の注意ですが、それぞれの条件や状況によって研究し、経験を重ねて楽しいトローリングによる大物釣りの醍醐味を満喫してください。